親の呪縛は都合の良い幻影である。
私が子供の頃、父がよく言う格言が2つあった。
「心頭滅却、火もまた涼し」
と、
「天は自ら助くるものを助く」
だ。
今から思えば、要は貧乏だったのだ。結局のところ。
父が買った車はエアコンがついてなかったから、夏場の移動はものすごく暑かった。
今のように高速道路が行き渡ってはいなかった。
お盆時の地道は、ちっとも先には進まず、 灼熱の太陽に車はジリジリ焼かれていた。
「心頭滅却、火もまた涼し」
と、何度も父は繰り返したが、全く涼しくはならなかった。
父だって、「これはたまらん」と思っていたのだろう。
少し余裕ができたら、エアコンつきの車に買い替えた。
小さな頃に、
「みんな習っている!」
という理由で、ソロバンだのスイミングだの、通いたいと懇願したが、
「天は自ら助くる者を助く」 と、習わせてもらえなかった。
「これからの時代は電卓があればいい。
夏場だけで充分に泳げるようになる。」
らしかった。
確かに、私はソロバンがなくても生きてこられたし、
夏場だけで50メートル泳げるようにもなった。
父の格言を真に受けるほど、私が素直な子だったのではない。
クーラーのない車の中で
「エアコンがなければ、やっぱり暑い」
と考え、
「親にお金がないなら、自ら助くしかない」
と考えただけだ。
親の影響や呪縛。そんなもんなんかナイ。断言する。
子どもは冷徹なまでに「現実を見抜く」ものだ。
親の影響だの、呪縛だのと言う人(子)は、
そこに「メリット」を見出しているからだ。
「自ら助く」ことから逃れられるという「メリット」だ。
そういう人間は、ずっと動くことなく、「被害者」でいればいい。
私は、そんな人間に関わる気はない。
人生は有限なのだから。
子どもには、親の「現実」をそのまま見せれば良いだけだ。
「現実を見抜き、現実を生き抜く力」
のある人間にしたいならだけど。
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